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Forest Instructor Association of Japan

平成28年度全国研修会IN京都

平成28年度全国研修会IN京都(5月25日~26日)が開催されました 

平成28年5月25日(水)~26日(木)に、京都大学芦生研究林と天然伏条台杉群をテーマに、全国研修会が全国研修会京都実行委員会及び日本森林インストラクター協会の主催により開催されました。
京都駅に集合し、マイクロバス約90分で京都市左京区花脊原町町の「山村都市交流の森」に到着。さらに広域林道を20分ほど進入し、井ノ口山の伏条台杉群をめざしました。
日本最大級とされる井ノ口山の伏条台杉
奥地の私有林の沢の上部に、巨大な天然台杉群があり、その迫力に圧倒されます。

井ノ口山 台杉群
このような台杉群はこの地域に点在し、京都の北山林業の台杉仕立ては、この姿を人為的に林業の技術として洗練させたものであることが想像できます。
天然台杉群へ至る途中にも、尾根沿いに天然スギの巨木・古木が見られます。ここで、天然スギの伏条更新の状況が観察しました。日本海側の雪深い山では、スギの枝が雪により地面に押し付けられ、そこから根が出て、新たな分身となる幹が育ちます。このような更新の仕方を伏条更新といいます。   天然スギの伏条更新を観察
やや重量の大きな浅香会長自らがモデルとなって、ブルーシートによる救護、安全研修の状況。森林インストラクターにとって、安全は全てに優先する科目であり、全国研修においても安全についての検討を必ず組み入れています。 ブルーシートによる救護 安全研修 
ニホンジカにより下層植生が失われ林床は裸地化しています。

研修2日目は、京都大学芦生研究林を見学しました。芦生研究林への入林は、演習林の教職員の方々の特段のご配慮により実現したものであり、本年、3月25日に指定されたばかりの京都丹波国定公園の核心部分である上谷地区のルートを3名の教職員の方々に案内していただいたものです。近年の日本各地の森林と同様、ニホンジカの食害により、林床は裸地化しています。

芦生研究林は、1921年(大正10年)に、学術研究及び実地演習を目的として、旧知井村の九ヶ字共有林の一部(4180ha)に99年間の地上権を設定し、芦生演習林と称したことに始まります。平成15年に芦生研究林と改称されている。アシウテンナンショウなど貴重な植物も多数見られ、斜面上部には、天然スギであるアシウスギが高い密度で分布し、伏条更新の状況が見られます。
  ニホンジカによる林床の裸地化



オオバアサガラの林

シカが食べない草本類が残り、いわゆるシカ植生になります。当地では、オオバアサガラの林もその一つ。


シカ害から植生を保護するためネットで沢全体を囲んだ試験地(写真右側)
ひとつの沢全体をネットで囲う試験地があり、ネットで保護された沢は植生が豊かであることが明瞭です。しかし、冬期には雪で壊れないようネットを撤去し、春には再び設置するという手間のかかる作業となっています。ボランティアの協力をえて行われています。
バイケイソウの群落
毒のあるバイケイソウもシカ植生のひとつです。

ニホンジカによる林床の裸地化(造林地)
造林地の林床もニホンジカによる食害で林床が裸地化し土壌の流出が始まっています。
タニウツギの花
この時期、タニウツギの花が美しい。
芦生研究林内の沢 
芦生研究林内の沢を源流に向かいます。
 エゾユズリハの群生
エゾユズリハもシカはあまり食べないことがわかります。
テツカエデの稚樹密生
テツカエデもシカは好まないようです。

テツカエデ巨木
原生林の様相を呈する、沢の中上流部には、テツカエデの巨大な古木が見られました。

カシノナガキクイムシによるミズナラ被害木
現在、被害は落ち着いていますが、多くのミズナラの巨木がカシノナガキクイムシの攻撃により枯損しました。
杉尾峠から若狭湾を望む
杉尾峠からは、若狭湾の日本海を望むことができます。

 

報告:寺嶋嘉春(千葉3-0025)