このシンポジウムでは千葉県森林インストラクター会で次の5つの体験プログラムを準備し、17名のインストラクターが指導しました。
1.森をしらべる
2.森の恵を活かす
3.森であそぶ
4.森の働きを知る
5.森の仕事を学ぶ
このうちの「2.森の恵を活かす」を次に詳しくレポートします。
○参加者:森林環境教育関係者約20名
○森林インストラクター:千葉県森林インストラクター会 ・菅野興文(写真上)・海野友子・高橋守
○場所:千葉県山武の森公園
◆プログラム内容◆
森の恵 1.森の中から薪を集め燃料として使う。
公園内の森には山武杉の倒木が多くあり、その枯れた小枝や落ち葉をたくさん集めることができました。杉の落ち葉はとても火が着きやすく、着火時によく使います。
森の恵 2.孟宗竹(モウソウチク)を使って炊飯をする。
日本三大竹は、マダケ、モウソウチク、ハチク。一番太く、主にたけのこを利用するのがモウソウチクです。この竹を近くの竹林で切らせていただきました。現在竹林は手入れする手間が無く密生気味で、どんどん切った方が喜ばれる状況のところが多いようです。
直径10cmぐらいのかなり太い竹を、写真のように輪切りにし、両方の節の内側に切れ目を入れ、長方形の「ふた」となって外れるように、ナタを食い込ませて縦に割れ目を入れます。できた「ふた」部分を外してお米と水を入れます。
森の恵 3.秋収穫したクルミ、ムカゴ、ギンナン、ブナの実を炊き込みご飯の具に使う。
お米の中には木の実などを入れておきます。この日は……、
・クルミ……自生のオニグルミの実。土に埋めて果肉を腐らせてから種を割り、食べるところを取り出す。リーダーの菅野さんが事前に準備していました。
・ムカゴ……ヤマノイモのつるにできる丸い玉。自生のものを事前に準備
・ギンナン……これだけは仕入れました。
・ブナの実……信州の湯沢温泉で、菅野さんがこの日のために拾い集めたものです。ブナの実は生でも食べられます。おいしいものです。
それでは、竹筒炊飯器でご飯を炊く方法を詳しくご紹介しましょう。
青竹筒炊飯ご飯メニュー
材料
青竹筒 内径7〜10cm、節間長さ25〜30cm1個につき
米 無洗米 320g
水 420cc
白だし 15cc(大匙1)
醤油 15cc(大匙1)
炊き込み材料(ギンナン、ムカゴ、クルミ、ブナの実)適量
調理方法
@ 無洗米を竹筒に平に入れる
A 分量の水と調味料を入れる
B 炊き込み材料を入れて蓋をして火にかける
C 強火で水気がなくなるまで一気に炊き上げる
D 火から下ろし数分蒸らす
火は強すぎると思うぐらいがちょうどいいようです。どんどん焚き木を燃やして大きな炎を作り、竹筒をあぶります。竹筒は水分を十分含んでいるので燃えつきることはありません。
ときどきふたをあけて様子を見ながら、水が無くなるまで炊きます。水が無くなったら竹筒を火からおろして出来上がりです。普通の炊き方のように長くむらす必要はありません。
このほかにスープも作りました。
スープ
@ 鶏肉、キノコを竹筒に入れる
A 水とだしの素を入れる。焚き木で熱する。
B 煮立ったら火から下ろし各自、適量の醤油、味ポンで塩味をつける
味は……竹の香りがして本当においしいものでした。
森の恵 4.食後のデザートにムクの実を食する。
ムクノキはこのあたりでしばしば自生しているニレ科の木。ケヤキと同じ科です。公園内にもありました。黒い実がちょうどなっている季節でした。干し柿のような甘い味がします。参加者の皆さんにも好評でした。
森の恵 5.孟宗竹で出来た食器類、お椀、箸それにへらを作る。
スープを入れるお椀を竹で作りました。節が底になるように竹を輪切りにします。切り口をやすりと紙やすりで磨いてツルツルにしてできあがり。
お酒を入れて飲んでもおいしいですよ。
森の恵 6.炊飯用に使い終わった孟宗竹は燃料として再利用する。
野外での炊飯は後片付けが面倒なものです。燃やしてしまえば、水も洗剤も要りません。
子どもたちを対象とする場合は火や鉈(なた)の取り扱い、注意点を説明する必要がありそうです。
使用する材料は春の季節ならば、野草の天ぷらを添えてみても良いでしょう。
このように、トータルで自然の恵を利用するプログラムです。参加された皆さんからも、「指導現場で即使えそう」と好評でした。
(菅野興文さんの報告から) |