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Newsを考察!▼2008.03
森林間伐等実施促進特別措置法案からこれからの森林整備を考える
(2008年2月7日)

政府は2008年2月7日の事務次官会議で「森林間伐等実施促進特別措置法案」の国会提出を決めました。 この法案には、2012年度までに行う追加的間伐などを盛り込んだ市町村の計画に対して、国が法定交付金で助成することが盛り込まれています(参考文献1)。 そこで、今月は、この法案からこれからの日本の森林整備について少し考えてみたいと思います。

■間伐の重要性
 時事通信社のニュース記事によると今回の法案の目的は「京都議定書に基づく森林吸収源対策推進」とあります。そこで、間伐が温暖化防止やその他の様々な効果をもたらすことを簡単に説明します。
 一般的にスギなどの針葉樹は葉の密度が高い為、広葉樹よりもCO2を固定する能力が高いとされており、例えば、スギの人工林は天然のブナ林に対して1.7倍の効果があるという推定値もあります(参考文献2)。 特に成長が盛んになるとその効果は大きくなります。
 スギの人工林を間伐することは、林の中に適度な空間を作り残ったスギの活発な成長を促し、結果としてCO2の固定が盛んになります。 更に、林床にも光が差し込みますので下草が生え、林全体としての生産性も高まり、土壌の改善や保水力の向上など様々な効果が生まれます。この様に、間伐は極めて重要な作業といえます。

■法案への期待と求められる慎重な対応
 このコーナーで何回か触れてきましたが、森林が人々の暮らしと密接に関係してきた日本は、全国の森林の約41%が人工林です(参考文献3)。 しかも、その人工林には昭和30年代の拡大造林政策のため40〜50歳のスギやヒノキが多くなっています。この様なスギの林では、間伐をしないと、樹冠がくっつく密な状態となり、生長が鈍り、CO2の固定効果が低下するだけでなく、林床に光が入らず土壌がやせ、土砂災害に繋がる恐れもあります。この様に日本の多くの人工林は、早急な間伐などの手入れが必要な時を迎えており、今回の法案には期待が寄せられます。

 しかし、間伐が進まないことの背後には、林業現場の人手不足、高齢化による技術継承の停滞など、山間部の過疎と都市部の人口集中にも関係する市町村での対応の枠を超えた全国レベルで考えるべき問題があります。 更に、助成金という仕組みの活用方法にも危険が潜んでいます。 助成金目当てのその場限りの対応は、助成金が無いと経済的に林業が成立しないといった、悪い体質を温存してしまいかねません。

今後はこの様な問題点を認識しつつ、多くの人が連携して知恵を出し合い、助成金を効果的に活用して、森林の手入れ、林業の活性化が継続的に続いていく仕組みに繋げていく必要があるのではないでしょうか。

■参考文献
参考文献1:時事通信社ニュース記事(2008年2月7日)
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/politics/jiji-07X127.html?C=S
参考文献2:林野庁ホームページ・・・スギ林の二酸化炭素固定の効果について
http://www.rinya.maff.go.jp/seisaku/sesakusyoukai/ondanka/a-2.html
参考文献3:林野庁ホームページ・・・人工林の比率について
http://www.rinya.maff.go.jp/toukei/genkyou/shinrin-jinkou.htm

参考文献1(本文)
森林間伐促進特措法案を内定=政府 2008年2月7日(木)14:23
 政府は7日の事務次官会議で、京都議定書に基づく森林吸収源対策推進のための
「森林間伐等実施促進特別措置法案」を内定した。8日の閣議で正式決定し、国会に
提出する。
 同法案は、国の基本方針に基づき、2012年度までに行う追加的間伐などを盛り
込んだ計画を市町村が作成し、国は市町村に法定交付金で助成することが柱。
併せて追加的間伐に伴う自治体の財政負担に地方債の特例措置を講じる。



以上
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