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Newsを考察!▼2008.06
梅雨の恵みを考える (2008年6月)

今月はニュースではなく、「梅雨(つゆ)」を話題に採り上げます。

私達に恵みも災害ももたらす梅雨
「梅雨」といえば、じめじめとした天気、梅雨寒など、好かれない印象があります。 しかし、日本の降水の多くは6月上旬から7月中旬の梅雨期、7月から10月の台風期の集中豪雨、冬期の積雪によりもたらされ、年間降水量は約1,800mmに達し、世界の平均降水量(約970mm)の約2倍です(参考文献1)。 この様に「梅雨」は豊富な降水量を得るために重要な役割を担うと同時に、渇水の回避、森林の回復力強化、生態系の多様性の確保、などの恵みをもたらしてくれます(参考文献2)。 その一方で、水害の誘発、じめじめした不快感、などやっかいな面もありますが、それらは私達に色々な知恵をもたらしてくれました。

「梅雨」から生まれた知恵
水害の誘発について考えてみます。 日本は地形が急峻なため、降雨と川の増水の因果関係が捉えやすく、先人たちは森林の荒廃と水害の関連性を良く知っていました。 それが全ての理由ではありませんが、森林が消失する危機は、伐採の自制や禁止、植林などにより、回避されてきました(参考文献3参考文献4)。
湿度の高い気候への対応は、伝統的な家つくりに見られます。 そこでは土、木、草などの自然素材をたくみに使いました。 腐りにくい木を水周りに用い、壁には夏も涼しく結露のしない土を用いました。 木造建築技術だけでなく、竹や葦なども用いて壁を丁寧に仕上げる土壁技術も世界に類を見ない緻密で手の込んだ技術です(参考文献5)。 車好きの知人から「大切な車を錆びさせずに長く保管するには農家の古い納屋や蔵が一番」と聞いたことがあります。 家つくりの様々な技術も日本特有の気象条件から生まれたと考えられます。

まとめ
梅雨は水の恵みや自然の回復という直接的な効果だけでなく、梅雨と共に生活していかなくてはならない私達日本人に様々な知恵を与えてくれました。 今回はその一部を紹介しました。 更に、梅雨は四季の変化と共に私達に自然への豊かな感性ももたらしてくれます。 日本のような梅雨のある地域は、世界中に多くはありません。 梅雨空を眺めた時に、変化に富んだ日本の気候に感謝してみてはどうでしょうか。 とは言うものの、最近は気候が不安定で、梅雨らしくない天気も多いのですが。

参考文献
参考文献1:林野庁HP「森林の有する公益的機能」
http://www.rinya.maff.go.jp/seisaku/sesakusyoukai/tisan/tisan1.htm
参考文献2:環境省HP「平成19年度 環境白書・循環型社会白書」
http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/honbun.php3?kid=208&bflg=1&serial=10011
参考文献3:農林水産省HP「─健全な森林を21世紀に引き継ぐために―」
http://www.maff.go.jp/hakusyo/rin/h10/html/SB1.1.htm
参考文献4:農林水産省HP
http://www.maff.go.jp/soshiki/rinnya/keieikikaku/rinseishin/H9-12kihonhoukou/honbun/2-genjou.html
参考文献5:小林澄夫「左官礼賛」石風社(2001年8月)
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以上
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