全国森林インストラクターのロゴマーク 全国森林インストラクター会 Homepage
▼ News & Newsを考察 ! ▼

Newsを考察!▼2011.12
新TPP交渉参加における今後を林業の歩みから考える (2011年12月)

 11月12日に日本政府はTPP(環太平洋連携協定)への交渉参加の意向を明らかにしました。 TPP交渉参加への是非については、工業と農業、都市と地方という軸で二分される傾向にあるように見えます。 特に、地形や気候などの制約で効率化が難しい農業などの一次産業の衰退を危惧する声も多く聞かれます。
 そこで、農業同様に効率化が難しく、1960年に輸入の自由化(関税撤廃)が始まり、今も多くの問題を抱える林業に目を向けて、いま何をすべきかを農業を中心に考えてみたいと思います(参考文献1)。

■輸入材自由化後の林業
 1960年に丸太材の輸入が自由化されて以降、林業は残念ながら衰退の一途をたどります。 例えば、林業従事者数は1960年の13万5千人から2005年(平成17年)には3万人に減り、低下の一途をたどっています(参考文献2)。 林業衰退の理由として、低価格の輸入材による国産材の収益低下、経済成長期と重なることによる都市部への人口集中による担い手不足、などが指摘されていることは周知の事実です。

■いま私たちに必要なこと
 関税の撤廃という事象だけみれば、農業は丁度1960年の林業に当てはまるのかもしれません。 しかし、経済成長まっしぐらの60年代と、金融危機など、経済成長の限界や資本主義社会にほころびが露呈しはじめ、資源枯渇や温暖化といった環境問題が深刻化している現代とは時代背景が大きく異なります。 いま私たちに必要なことは、林業の歩んできた道のりを振り返って、政府、自治体、林業家、社会環境などの様々な視点から、良い点、改善すべき点、を知ることではないでしょうか? 過去の問題への責任追及ではなく、将来のために色々なことが見えてくることが大切ですね。

■縦のつながりと横のつながりを
 私たちにすぐにできることとして、田舎のおじいちゃんにちょっと尋ねてみる、学校の先生に質問してみる、といったことから始めてはどうでしょう。 その時代を生きた先輩はいろいろなことを、身をもって知っているのではないでしょうか。
 一方で、農林業などの大地に根差す営みには国土の保全といった極めて大切な役割があります。 先月のこのコーナーで触れたタイの洪水と森林伐採がどの程度関連があるかは分かりませんが、経済原理だけを考えた浅はかな行動をとると、いずれ大きなしっぺ返しがくる様に思えてなりません。 その様な大局的な視点から、TPPの賛否を主張し合うだけではなく、業界の垣根を越えて知恵を出し合うことも重要ではないでしょうか。 TPP問題をこの様な流れを作るチャンスにしたいものです。
 全国森林インストラクター会は様々な業種と年齢層で構成されています。 世代間(=縦の交流)と、異業種間(=横の交流)に少しでも役に立つことができれば良いと思います。

参考文献1:佐賀新聞ホームページ
http://talkbar.saga-s.co.jp/archives/67053867.html
参考文献2:政府統計の総合窓口「農林業センサス累年統計書 > 林業編(昭和35年〜平成17年)」
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000001012099&cycode=0

以上

▼HOME▼

全国森林インストラクター会