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2015年10月 上社御柱用材8本伐採

来年の諏訪大社の御柱祭に向けた上社御柱用材8本の伐採が無事に終了したそうです(参考文献1)。そこで、今月は御柱祭について考えてみたいと思います。

■御柱祭は色々なことを教えてくれます
このコーナーでは、2004年5月と2010年4月に御柱祭を取り上げました。2004年の記事ではモミについて触れ(モミについては2007年12月の記事も参照ください)、2010年には、用材の現状、自然との接し方、自然の恵みへの感謝について取り上げました。

■地域に広がる御柱祭
そこで、今回は御柱祭の地域への広がりについて考えてみようと思います。木落としで有名な諏訪大社の御柱祭が終わると、諏訪地方の6市町村(岡谷市・諏訪市・茅野市・下諏訪町・富士見町・原村)の神社ではその大小に関係なく小宮祭が行われ、それぞれに御柱が建てられるそうです(参考文献2、参考文献3)。変わったところでは、霧ケ峰の車山神社の小宮祭では、山頂ヘの御柱の曳き上げが行われるそうです(参考文献2)。

■地域社会と神社
諏訪地方における御柱祭と地域社会との関係を調べた論文があります(参考文献4)。この論文では、1)諏訪市民は一家で諏訪大社の大宮から地域の小宮まで、いくつもの祭りに参加している、2)それらの多くの祭りは、大宮から場合によっては一族によるマキ神まで重層性がみられる、3)氏子の交流による地域コミュニティが成立する、4)高度成長期の70年代にも神社が新しくできているが、近年では過疎による小宮祭継続の問題が特に山間地域にみられる、5)祭りへの参加に関する課題として、主に「もてなし」の対応による女性への負担、宗教の自由との整合性、転入者への理解、などがある、と指摘しています。この指摘は、神社を核にした地域コミュニティと、その維持の課題の両面を示しています。

■地域コミュニティの存続に向けて
日本全国の神社の数は明治時代に20万近くあり、現在でも約8万数千で、コンビニエンスストアより多いそうです(参考文献5)。このことは、全国的に神社が日本人にとって非常に身近な存在であることを示しています。今回は諏訪地域を事例に地域社会と神社について既存の研究を参照しながら、実態と課題を示しましたが、この様な状況は全国にみられるのではないでしょうか?今、子供や高齢者への見守りなど、地域コミュニティの大切さが再認識されています。諏訪地方の大宮祭と小宮祭を核とした重層的な地域社会の構造を改めて見つめなおし、現代社会に合う形の新しいコミュニティの姿を考えていくことが必要であると思います。

参考文献1:読売新聞YOMIURI ONLINE, 「上社の御柱用材 伐採式 2015年09月17日」(2015年9月21日参照)
http://www.yomiuri.co.jp/local/nagano/news/20150916-OYTNT50187.html

参考文献2:諏訪大社ホームページ(2015年9月22日参照)
http://suwataisha.or.jp/onbasira.html

参考文献3:諏訪地方観光連盟 御柱祭観光情報センターWebサイト,「そこかしこにある御柱(小宮の御柱)」(2015年9月21日参照)
http://www.onbashira.jp/tourism/onbashira/

参考文献4:大塚昌利, 「諏訪地方における「御柱祭」からみた地域社会の重層性」, 立正大学人文科学研究所年報. 別冊 11, 30-48, 1997-03-20(2015年9月21日参照)
http://repository.ris.ac.jp/dspace/bitstream/11266/2326/1/KJ00000096160.pdf

参考文献5:広井良典, 「ポスト資本主義」, 岩波新書 新赤版1550, P202


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