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▼連載  森林浴と健康  ▼ 森田 えみ
※大学院で林学を専攻し、森林インストラクター資格を取得後、森林浴の効果を科学的に解明すべく、森の国ドイツへ...
現在は名古屋大学で、医学的観点から見た森林浴の研究に取り組んでいる筆者がお届けします。

●その12 森林浴による睡眠の改善     <2011.10>
森林浴で良い睡眠を

多くの人が睡眠に不満
 寝つきが悪い、夜中に目が覚める、早朝に目が覚めるなど、多くの人が、睡眠に不満を持っているようです。一部の方は、クリニックを受診していますが、多くの軽症の方は、受診まではされていないことと思います。しかし、不眠は、うつや自殺のリスク要因となっているという報告もありますので、良い睡眠を得ることは健康にとって大切なことです。今回は、誰もが気軽にできる、身近な里山での森林浴による睡眠の改善についてご紹介いたします。

森林浴で睡眠の改善の調査 −滋賀県大津市龍谷の森にて−
 滋賀医科大学と龍谷大学の共同プロジェクト「眠りの森」事業で、2005年の秋に睡眠に不満がある方を対象にして、森林浴による睡眠の改善効果に関して調査が行われました。参加者には、自然観察や間伐体験なども交え、約2時間の森林浴を楽しんでいただきました。

龍谷の森(リンク先 http://satoyamagaku.ryukoku.ac.jp/forest.html)
「龍谷の森」は滋賀県大津市にある龍谷大学瀬田キャンパスに隣接する里山林(面積38ha)です。 40年くらい前までは、地元住民が薪や柴をとるための林として利用されてきましたが、その後ほとんど利用されなかったために薮が生い茂り、典型的な管理放棄された里山林でした。1994年に龍谷大学が取得してから、里山整備を開始するとともに、環境教育や自然観察の場として活用しています。
龍谷の森を利用したい方はこちらhttp://satoyamagaku.ryukoku.ac.jp/index.html)まで、お問い合わせください。

良い睡眠のためには午後の森林浴がお勧め
 森林浴を行った日の夜は、前夜に比べ睡眠時間が長くなり、自覚的な睡眠の深さもやや改善されました。これは、運動に加え、森林浴のよる心理的な効果により、このような良い効果が表れたのかも知れません。
なお、森林浴を、午前に行った場合と、午後に行った場合では、効果に差がありました。森林浴をした当日の夜、午前に森林浴をした方達の睡眠時間は、前夜とほとんど変わりませんでしたが、午後に森林浴をした方達は、平均して約2時間10分も睡眠時間が長くなりました(図1)。一方、自覚的な睡眠の深さは、午前の森林浴でも午後の森林浴でも、同じようにやや改善されました(図2)。つまり、睡眠時間が長くなった午後の森林浴がよりお勧めと言えそうです。

     

    


良い睡眠を得るために
 良い睡眠を得るためには、夜、明るい光を浴びない(パソコンなどをしない)、寝るときは暗くする(明かりをつけたままにしない)など、いくつもの方法が提案されています。その一つとして、森林浴を取り入れて頂き、森を楽しんでいただければ幸いです。
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森田えみ 森林インストラクター/名古屋大学大学院医学系研究科予防医学 
宮浦富保 龍谷大学理工学部・里山学研究センター


<引用文献>
Morita E, Imai M, Okawa M, Miyaura T and Miyazaki S. A before and after comparison of the effects of forest walking on the sleep of a community-based sample of people with sleep complaints. BioPsychoSocial Medicine 2011, 5:13.
http://www.bpsmedicine.com/content/5/1/13/abstract


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 森田 えみ 名古屋大学大学院医学系研究科予防医学
         森林インストラクター 愛知県在住


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