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Forest Instructor Association of Japan

合格体験記

合格へのPDCAサイクル

平成30年度合格 富山県 滝上 善市

1.受験動機
 私は50歳を越えたころからメタボ解消を目的に山歩きを始めました。すぐに、風邪をひかなくなるなどの効果が得られ、自然の持つ不思議な魅力への関心が強くなっていきました。何年かして地元で自然解説員に認定されたり、森林ボランティアで活動したりと余暇の大部分が自然関係に移ってきました。その後も私の自然への興味は膨らみ続け、もっと知りたいと思うようになり、学習範囲が広く体系的に学べて認定される森林インストラクターになりたいと強く思うようになりました。

2.勉強法 
@ 計画(P)
 まずは、講習会を受講するところから始まりました。講習会は当時の私には二次試験の実技試験が免除されるということだけが重要でした。しかし、講義を受けると内容が広くて深いことが分かり、どんな問題がどう出題されるかなどの不安が高まってきました。その一方で、いっしょに受験する仲間と知り合いになれたことは大きな成果でした。
 この試験は科目合格制を採っていますが、年齢的に何年も挑戦する訳にもいかず一年で合格する学習方法を考え始めました。合格には“テキストを理解する”ことが必要であることは当然です。しかし、“テキストを理解する”とはどういうことか、お経のように丸暗記しても無意味でしょう。また、理解の結果をどのように検証するのかに悩む日々が続きました。学生時代であれば、出題しそうなところを重点的に学習するといういわゆる山掛けをしたり、サブノートを作ったりしたでしょうが、これはしないことにしました。その理由は、テキスト自体が既にまとまっていると感じたためです。
 最初にやったことは5年間の過去問の問題と解答をカードの表裏に書き写すことでした。機械的に写すだけでしたが、カードなので何度もめくりながら場所を選ばず学習できることを狙っていました。そうしたことから、問題の傾向が分かってきました。300字や200字での記述論述式問題が数問あること、穴埋め問題でも選択語群の無い問題があること、語群選択や〇×問題もあるということでした。私が考える“テキストを理解する”とは、テキストの小見出しを見れば、その内容がスラスラと出て来る水準だと結論付けました。そして、この方法でダメなら二度とこの試験には近づかないという覚悟もしました。
A 実施(D)
 学習時間を確保しなければなりません。いつ学習するかとか、どこで学習するかについては考えないようにしました。いつでもどこでもやるのです。今年に掛けるという意味で一日を、起床後朝食前まで、午前中、午後夕飯まで、夕飯後就寝までの4回に分けて取り組むことにしました。そして、集中力を維持するため規則正しい生活を心がけました。
 さっそくテキストを読み始めました。文章を、小説のように読んでいては内容が頭に残らないので、定規を当て一行ずつずらしながら精読しました。常にこの作業が順調に進んだ訳ではありません。宝くじを買ったとたんに当たったことを考えるように、テキストを読んでいるとあたかも自分が合格してその活動をしているかのような妄想が浮かんでくることがありました。こういう時は、目はテキストを追っていますが、頭は別の事を考えているので、まったく無為な時間が費やされます。何回か繰り返した後、図や表もメモ用紙に書くようになりました。そういう問題も過去に出ていたからです。裏が白い新聞広告や子供の小学校時代のノートの書いてない部分などを使い、小見出しを見て、その内容を殴り書きしました。記憶に残っているキーワードを列挙し、それぞれを矢印でつないだりして理解に努めました。しかし、ここで問題が起きました。漢字が書けないのです。そのため、漢字練習にも何日か費やしました。
 B 確認(C)
 メモ書きが全部終わった後に過去問を解いて確認しました。最初はどうしてこんなに忘れているのかと情けなくなりました。その結果、問題を見てから直ぐに解答を見るという状態が続きました。このルーチンを3回、4回と繰り返すうちに少しずつ解答らしい内容に近づきました。繰り返すうちに、何回やっても覚えられない内容やテキストだけで分かりにくい内容が分かるようになりました。こういう場合は、別途資料を作ることにしました。分からないことが見えてくるということはとても重要だと考えています。
C アクション(A)
 植物の特徴は覚えきれないのでテキストに出ている植物111種類についてまとめました。この作業は手持ちの図鑑を写しながら行っていましたが、ツガとコメツガの特徴をまとめている時に、図鑑の記述とテキストの記述が正反対になっていることが分かり、講義をしていただいた大学の先生にメールを出して確認したりしました。
 一番大変だった科目が森の民俗学でした。テキストはパワーポイントのキーワードだけですが、問題は毎年300字の記述問題が出されています。このため、参考文献を図書館に頼んで出してもらい拾い読みや抜き書きをしたり、ネットで調べたりしました。

3. 結果
 結果として一年で合格するという方法が検証できたことは良かったと思っています。しかしながら、自分でも不思議なのですが合格通知が届いた時に、こみ上げるような喜びはありませんでした。このことを自分なりに分析すると、森林インストラクターとしての自覚が芽生えて来たのではないかと考えています。もうボランティア時代のような対応はできないのだという気持ちが、このような引き締まる感じを生んでいたのだろうと思っています。

4.これから受験される方へ
 自分にあった“テキストを理解する方法”を考え、その方法を信じ、繰り返し実施することしかお伝えできません。モチベーション低下対策として仲間と刺激し合う方法も効果的だと思います。試験合格はあくまでもスタート地点だと考え、合格後の活動も想定して学習することもいいのではないでしょうか。この体験記が少しでもお役に立って合格される方がいらっしゃれば望外の喜びです。



実物がイメージできない知識はなかなか定着しない

平成30年度合格 三重県 生川 晴美

1.受験動機
 山を登ること、走ること、川を下ることは何よりも私を解放してくれる時間になります。体力に任せてより遠くへ、より速くとがむしゃらに鍛えた時期もありました。日々の仕事に追われ疲れがたまっていても仲間と自然の中に入ると心がすっと落ち着き、固まった身体がほぐれていくのを感じます。疲れている上にさらにしんどいことをしに行ったはずが家に戻ると楽しかったなぁという気持ちでまた日常に戻れました。そんな私でしたが数年前に卵巣がんを患って以降、山や川に入るペースを落とさざるを得なくなりました。リハビリを兼ねてゆっくりと足元を見ながら近所の里山を歩くとかわいい小さな花が目を癒してくれます。冬の落葉樹の明るい林床から空を見上げて枝の広がる姿を見ながら深呼吸をしたり、新芽の色が木ごとに違う美しさに目を奪われたりするようになりました。
 ただ登るだけではなく森の持つ魅力をもっと多くの人に知ってほしい、そこで森林全般について学べる森林インストラクターの資格を取ろうと思い立ちました。思いついた年はまだ治療中であったため夫に受験を勧めました。ところが彼も私が病気でできない分の家事と自分の仕事でなかなか腰を据えて取り組むことができずその年は2教科(森林内の野外活動と安全及び教育)のみの合格になりました。

2. 三重県森林インストラクター会の支援講座受講
 翌年、三重県森林インストラクター会のHPで合格支援講座の募集を目にします。これだ!と思い、早速申し込んで全八回の講座を受けることにしました。講師が自らの合格体験をもとに養成講習テキストのポイントをわかりやすく解説してくださいます。仕事の都合で受講できない分も講義内容の参考資料を必ず受け取り、内容でわからないところはメールで返答をいただける大変有用なシステムになっています。当初は何がわからないのかもわからない状態でしたが 具体例や実物を確認することで内容が頭に入ってくるようになります。木材の利用では実際の木材を持ち込んでいただき触れることで文字と実体が結び付き暗記する助けになりました。
 まずはテキストを読み わかったことをまとめて自分のノートに書きます。とくに森林の法令や森林の育成と管理、森林の保全の項目では何度も流れや仕組みを書き、講習の資料を参考に納得がいくまでノートを埋めました。一番苦労したのは森林の植物、樹木、動物を覚えることでした。実際に見たことのない生物を言葉で表されていても具体的な姿や形が思い浮かばず 何度言葉を覚えてもまるで記号のようで覚える端から抜けて行ってしまいます。初心者でも取りつきやすい写真の綺麗な「葉で見分けるハンドブック」(小学館)やインターネット上の樹木検索サイト(特に「樹木検索図鑑」の名前一覧)を利用し、できるだけ形態や画像と名前を紐づけて覚えるようにしました。それでも数が多く、結局最後にはヤマをかけて挑むことになってしまいました。
 不安な思いでいっぱいの一年目の受験でした。とにかく白紙にしないように自分の知っていることを時間いっぱい使って書き込む努力はしました。しかし、やはり森林の科目では、樹種の特徴の比較と鳥の分類についてはヤマも外れ解答用紙に白紙がありました。結果は林業以外の3科目が合格で大変驚きました。苦手な「森林」ですが、森林の生態、遷移、環境、文化については日ごろから山を歩く折に気になっていたことが多く興味があったので頭に入りやすかったのかもしれません。その分で樹種と生物の設問の分を補えたのかと思います。

3. 2年目
 森林が不合格だったら、樹種や、動物、昆虫に関する知識がほとんどなかったのでもう一年では合格は望めない気がして、一年目の受験直後は悩んでいたのです。ところが結果は森林は合格、林業だけ残しての再トライとなりました。合格したとはいえ自分の知識の不足を感じている森林と林業の支援講座を県のインストラクター会に再度申し込みました。できるだけ講座に出席し、前の年、共に受験する仲間の姿を見ることがモチベーションの維持につながると実感していましたからできるだけ参加するようにしました。やはり 二年目になった方がいらしてお互いに刺激になって試験まで頑張れました。
 病気になる前と同じくらい仕事に復帰していたため勉強時間が取れず、体力も落ちているので深夜まで勉強することができません。仕事が終わって夜10時過ぎにお風呂のスイッチを入れると勉強開始です。まず机にテキストと支援講座で使った教材を並べ、目の前にパソコンの画面を置いてあいまいなことはすぐネットで調べて確認しました。毎晩30分ほど机の前で学習します。木材総合情報センターのサイトはわかりやすく試験には必要ないこともありますが大変面白く拝見しました。二年目は一教科になりましたので林業白書も最新のものと過去のものの概要3年分に目を通しました。テスト一か月前には、まず風呂待ちの時間で過去問の記述部分をノートに書き写し、お風呂が沸いたら過去問題集を一年分ずつお風呂に持ち込み蓋の上に置いてすべての問題の解答を声に出して読み上げます。毎日一年分、五年分を五回ずつやったことになります。直前にはほぼ暗記できていました。

4.結果と二次試験
 当日はとにかく記述問題を書くことに集中してあっという間に終了しました。終わった後手ごたえもわかりませんでしたが結果は合格でした。仕事と試験日が重なって前年受けられなかった夫も合格で二人とも心底ほっとしました。
 人の前で話す経験があまりないので、二次試験は大変緊張してしまい話し方も固いものとなってしまいました。準備した内容が一般の方には難しすぎるというご指摘を受けました。それでも何だかすがすがしい気分で小石川の植物園を見学し、来年までにもっと森に行って勉強して二次試験をもう一度受けてもいいなと思っていました。結果が合格で試験官の皆さんが応援の気持ちで合格させていただいたのかと思います。
 勉強するうえで自分が触れたり見たりしたことのあるものはテキストを読んでいても記憶ができるのですが実際の姿や形のわからないものは大変苦労しました。木や動物だけでなく林道やその周り、植樹された森の様子、DIYショップの木材売り場の製品などを実際に見るのは大変参考になると思います。
 試験には合格しましたが、今後は森に行って多くの植物や木に手を触れ自分自身も学んで、人にも伝えられるように頑張ろうと思います。

夢への第一歩

平成30年度合格 愛知県 真野 朱音

1.受験の動機
 私が森林インストラクターの資格を取得したいと考え始めたのは、大学3年、21歳の時です。「林業の再生に携わる仕事がしたい」と林業関係の職を調べる中で出会ったのが、森林インストラクターの資格でした。「森の案内人」…?よく分かんないけど、かっこいい。自分でもなぜだかわかりませんが、第一印象で無性に心を掴まれました。
 その後調べていくうちに、この資格を取りたいという気持ちが強まりました。資格の勉強を通して森林や林業についての知識や理解を深められるのでは、という気持ちもあったし、「人々と自然をつなぐ」という目的に感銘を受けたためです。しかし、当時は試験まで日数が少なかったこともあって、当年度の受験は諦めました。
 その後、進路として志望を決めたのは、林業分野の公務員です。公務員の試験が大学4年の春に終わり、ひとまず落ち着いたところで、「林業系の公務員として胸を張って仕事に取り組むためにも、森林や林業についてもっと詳しくなりたい」という気持ちが湧いてきました。そのためにも、森林インストラクターの資格を取りたいと思いました。そして、出会いから一年後、大学生4年の夏に本格的に勉強を始めました。

2.養成講習
 森林インストラクター養成講習は全国各地で開かれておりますが、全国森林レクリエーション協会が主催しているものは一年に二回あります。5月から6月に渡って日程が分かれているコースと、8月に8日間連続で行われるコースです。私は日程の都合上、後者に参加しました。
 恥ずかしながら、当講座を受けるまで試験内容も把握していなかったレベルでしたが、この講座への参加を機に一気に受験モードに切り替わったと思います。
 ひとつひとつの授業の密度が高く、連続で8日間受講するのは正直体力的にハードでしたが、その分力になりました。直接講師の方々の話を聞くことで、勉強する上で重要なポイントを抑えることができますし、気になる部分をその場で直接質問することもできました。余裕がある方は、受講前にテキストの該当分野に目を通しておくと、さらに理解が深まると思います。
 何より、全国の森林インストラクターを目指す方々との新しい出会いはかけがえのないものでした。受講生の皆様の森林に対する思いを聞いて何度も胸があつくなりましたし、自分も頑張ろう、というモチベーションアップにつながりました。

3. 勉強方法
 私は「オリジナルノート」を作って知識を頭に入れた後、過去問でアウトプットする、という方法で取り組みました。オリジナルノートとは、テキストの重要項目だけを写し、空き時間にサッと確認できるようにしたものです。ノートづくりの上で工夫したことは、以下の二点です。
@ 重要な語句をオレンジペンで書き、赤シートで消して何度も確認できるようにする。
A できるだけコンパクトにまとめる。目安として、だいたいテキストの1項目(例えば「昆虫類」など)を1ページ以下。
 テキストに書いてあること全てを抜き出そうとすると、結局覚えきれずに終わってしまうし、時間も足りなくなってしまうので、できるだけコンパクトにまとめるようにしました。また、要点だけ抜き出そうとすることで、自然と重要なポイントを抑えるトレーニングにもなります。オリジナルノートづくりは時間がかかりそうな印象ですが、要点だけ抜き出せばいいので意外と時間はかかりません。また、一度作ってしまえばいつでもどこでも勉強をすることができるので、お勧めです。
 その後、過去問を解きました。時間を計って解く。丸付けをする。記述問題については、模範回答を熟読して、文章の流れを掴む。知識が足りていない部分については、オリジナルノートに書き込んで覚える。という流れで勉強しました。最初の一回目は全然答えを書くことができませんでしたが、だんだんと答えの書き方を掴み、三回目ぐらいから何とか文章として表現することができるようになってきました。
 森林インストラクターの試験の特徴は、とにかく記述量が多いこと。穴埋め問題や記号問題は比較的少なく、文章で答える問題が半分以上を占めます。そのため、知識を頭に入れるだけでなく、それを分かりやすく文章で表現する力が必要になります。
 私が文章を書く上で工夫したことは、以下の二点です。
@ 解答用紙に書く前に、文章の構成を箇条書きでメモする。最初に文章の流れを整理しておいたほうが、分かりやすい文章を作りやすいと思います。ただし試験中は時間がないので、1分以上はかけないようにしました。
A 結論から書き出す。「長々と書いてあるけど、結局何が言いたいんだろう?」という文章になってしまうことを避けられます。
 また、民俗学の分野などは、試験中に回答をつくることが難しいと思ったため、よく出るテーマに対してあらかじめ解答を考え、覚えて臨みました。
 試験本番は、何も書かないよりも、まとまっていない文章でも書いたほうがいいと聞いていたので、とにかく書ききることを目標に頑張りました。
 最後に、過去問を解き出すタイミングについて書いておきます。私は2週間前ぐらいから解き始めましたが、これは正直かなり遅かったと思います。一年分を解くのに想定以上の時間がかかり、10年分取り寄せたのに、5年分しか解けませんでした。記述量の多い試験ですので、普段あまり文章を書かない方は、特に余裕を持って取り組んだほうがいいかもしれません。

4 終わりに
 私は何とか森林インストラクターの試験に合格できましたが、知識・経験ともにまだまだ不十分です。これからも引き続き、勉強を続けていこうと思います。
 数100年後を見据えた森づくりの中で、ちゃんとビジネスとして林業を成り立たせる。そんな林業ができる社会を作ることが、私の夢です。そのためにも、ひよっこ森林インストラクターとして、いろんな活動に取り組んで経験を積んでいきたいです。
 最後に、ここまで読んでくださりありがとうございました。この稚拙な合格体験記が、読んでくださった皆様のお役に少しでも立てれば嬉しいです。

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