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Forest Instructor Association of Japan

Newsを考察

2015年2月 冬季のクマの活動

今年は1月になっても冬眠しないクマが確認されています。そこで、この話題を取り上げます。
■冬眠が遅れるクマ
長野県駒ヶ根市では1月9日に民家の敷地に熊の足跡が見つかったそうです。同市では1月7日にも確認されているとのこと(参考文献1)。また、昨年11月20日には岐阜県で人がクマに襲われています。昨年のドングリの不作や、マイマイガの大発生による葉っぱの食い荒らしによる極端な餌不足が原因として指摘されています(参考文献2)。筆者は昨年秋に白馬の森を歩く機会があったのですが、マイマイガのたまごをよく見かけました。

■山村の過疎の問題
クマが人里に現れる主な理由として、山間部の過疎化により山林や畑の放棄地が増えた結果、クマにとって人の気配を感じる機会が減り、人の活動域近くまでクマが来ることや、人間が出した残飯などを覚えてしまうことは、これまでも多く指摘されています。

■クマの食生活の変化
一方で、日本の山林で問題となっているシカの増加がクマの食生活に変化を与えているという調査結果があります(参考文献3)。また、クマがシカを待ち伏せして襲うケースも確認されているようです(参考文献4)。食生活の変化が冬眠時期に影響を与えているかは分かりませんが、クマの行動に何らかの影響を与えているように思えます。GPS付きのクマの追跡調査も全国で行われています。今後のデータの蓄積による解明が待たれますね。ちなみに動物園のクマは冬眠しないそうです。

■まとめ
1月にクマが冬眠していないというのは極めてまれな状況のようです。もしかすると、自然からのいろいろなメッセージを出しているのかもしれません。冬眠できないクマは一般的には危険であるようですが、危険だと言って駆除するだけでなく、自然からのメッセージを見逃すことのないように感度を高くしたいと思います。専門家の科学的な調査結果も多く一般に共有することも必要かもしれません。

参考文献1:信濃毎日新聞 信毎Web 「駒ケ根でまた熊とみられる足跡 2015年1月10日」
http://www.shinmai.co.jp/news/20150110/KT150109FTI090012000.php

参考文献2:朝日新聞デジタル「ドングリ不作、空腹で冬眠できないクマ 岐阜で警戒続く 2014年12月31日」
http://www.asahi.com/articles/ASGDT3QQPGDTOHGB002.html

参考文献3:小池伸介「ニホンジカの高密度化による森林生態系の改変がツキノワグマに与える影響」東京農工大学、平成25年6月7日
https://kaken.nii.ac.jp/pdf/2012/seika/C-19_1/12605/22780141seika.pdf

参考文献4:マタギサミットホームページ
http://akita-yamazuri.digi2.jp/2011/matagi/chokai.html

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