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Forest Instructor Association of Japan

Newsを考察

2016年6月 外国資本の森林買収について改めて考える 

林野庁が外国資本による森林買収に関する調査結果を発表しました(参考文献1)。外国資本による問題については2010年5月にこのコーナーで取り上げていますが、この問題について再考してみたいと思います。

■外国資本による森林買収
林野庁の調査では、居住地が海外にある外国法人又は外国人と思われる者による森林買収の事例が平成27年1月から12月までの期間で67haとのことです。買収面積が多い事例として、岡山県の48haの森林をシンガポールの法人が樹木育成を目的に購入しています。また、北海道では11haの森林をオーストラリアの個人が資産保有目的で購入しています。平成18年から平成27年の森林買収面積の累計はおよそ1,200haであり、平均すると年間130haとなるので、この一年の増加量は従来のペースに対しては少ないと言えます。

■情報公開の背景
林野庁がこのような情報を公開する当初の背景には、おいしい水や土砂流失防止といった森林の恵み(公益的機能)を、経済面からの投資対象としてとらえる海外資本の動きに対して、まずは実態を把握してその状況を公開するという意味あいがあります。このことについては、2010年5月にこのコーナーでとりあげました。

■実態把握から相互理解が必要な時代に
前回も指摘していますが、まずは私たち自身が森林の価値を再認識し、海外からの森林購入の動きを知ることが必要です。一方、2015年9月には本コーナーでアップルやイケアが森林の持続可能な利用と維持管理を目的に森林を購入するという話題を取り上げました。このような理解ある取り組みが推進されることを考慮し、投資対象としての購入なのか、真の目的を理解する姿勢も必要ではないかと思います。

■まとめ
今回は過去の記事も参照しながら、海外資本による日本の森林の購入の動きを紹介しました。本件に関する本質的な問題として、もう一つ、日本では森林所有者の森林への関心が減り、相続後に所有者が不明となるといったケースが見受けられるという指摘があります。この指摘についても2014年10月にこのコーナーで取り上げました。森林の恵みがあたり前であった山間部の方々に改めて森林の価値を認識していただくことも大切なのかもしれません。


参考文献1:農林水産省, 「外国資本による森林買収に関する調査の結果について(平成28年4月27日)」, 林野庁ホームページ(2016年5月22日参照)
http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/keikaku/160427.html



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