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Forest Instructor Association of Japan

Newsを考察

2017年5月 新種の発見について考える 

今月は新種発見のニュース記事を取り上げてみました。日本では結構新種発見があるようです。

■紀伊半島で新種の可能性のある桜が見つかる
紀伊半島南部でヤマザクラと混同されていた早咲きできれいな桜が、新たな「サクラ」であることが森林総合研究所の調査で判明しました。「クマノザクラ(仮称)」と命名し、新種か変種かを調べるそうです(参考文献1)。

■新種の手続き
ところで新種はどうやって認定されるのでしょう。一般的には、博物館や研究機関などの専門家が、変異や奇形ではなく個体群が存在する、など新種であることを確認後、学名付与などを行い論文にまとめて発表し、最終的には国際動物命名規約により学名が認定されるとのことです(参考文献2)。

■植物だけでも毎年新種が見つかっている日本
日本では、植物に限っても新種が多く見つかっています。最近では、鹿児島県の屋久島で昨年見つかった光合成をしない植物「ヤクシマソウ」(参考文献3)、沖縄県の沖縄本島で2012年に見つかった2種の菌従属栄養植物「ヤンバルヤツシロラン」と「ツツザキヤツシロラン」(参考文献4)などの事例があげられます。植物だけでも毎年のように新種が見つかっている日本ですが、小さい昆虫類など含めると、まだまだ、多くの見つかっていない新種が身近な存在しているかもしれませんね。新種登録の手続きは煩雑ですが、過去の事例では素人の方が発見し、専門家と連携して新種登録をする例も多いそうです。野山を歩きながら新種発見を夢見てはいかがでしょう。

■まとめ
今回は新種を話題にしてみました。ちなみに世界に目を向けてみると、例えは、生物多様性が豊かな大メコン圏では、世界自然保護基金の調査では、2015年に発見された新種生物は163種(内訳は両生類が9種、魚類が11種、爬虫類が14種、哺乳類が3種、植物が126種)、1997年から2015年の間に2409種が見つかっているそうです(参考文献5)。地球上の自然については、科学技術が発達した今でも分からないことが沢山あるのですね。私たち森林インストラクターも少しでも自然界の分からないこと、不思議なことも、きちんとお伝えできれば良いと思います。

参考文献1:紀伊民報「紀伊半島南部に桜の新種か 森林総合研究所調査(2017年4月11日)」(2017年4月16日閲覧)
http://www.agara.co.jp/news/daily/?i=331924&p=more

参考文献2:徳島県立博物館友の会会報「新種を発見するには(2013年2月28日)」徳島県立博物館友の会会報No.51 (2017年4月16日閲覧)
http://www.museum.tokushima-ec.ed.jp/tomo/news/tomonewsNo51.pdf

参考文献3:日本経済新聞「「ヤクシマソウ」と命名 光合成しない新種植物(2016年2月20日)」(2017年4月16日閲覧)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG20H1E_Q6A220C1000000/

参考文献4:神戸大学ホームページ「やんばるで2種の新種のラン科植物を発見(2017年4月7日)」(2017年4月16日閲覧)
http://www.kobe-u.ac.jp/research_at_kobe/NEWS/news/2017_04_07_01.html

参考文献5:科学技術振興機構「メコン圏で昨年は163種の新種生物を発見(2016年12月23日)」(2017年4月16日閲覧)
http://www.spc.jst.go.jp/news/161204/topic_5_05.html


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