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Forest Instructor Association of Japan

Newsを考察

2018年8月 木材を中心とした地域の繁栄について考える 

今回は、静岡県の島田市で明治や大正の写真から木材を中心とした地域の繁栄を伝えるニュース記事を取り上げてみたいと思います(参考文献1)。

■木都と能代
ニュース記事では木材を中心に繁栄した地域を指す言葉として「木都(もくと)」という表現を使っています。「木都」は主に能代市や島田市で使われており、能代は東洋一の木都と言われています(参考文献2)。能代は米代川の河口に位置し、秋田杉など豊富な木材が運びこまれる場所として江戸時代から全国に木材を販売していました。1897年(明治30年)には、能代挽材合資会社を創設した井坂直幹がイギリス製の製材機械を導入し高い品質と生産性を確保し、1907年(明治40年)には秋田木材株式会社を設立して台湾や韓国へも事業を展開したそうです。

■島田市の歴史
一方、今回のニュース記事の舞台である島田市は大井川の河口に位置し、江戸時代から木材の運搬や生産が盛んだったようです。1891年(明治22年)に東海道線が開通すると島田駅を基点とした輸送ルートが確保され木材産業が発展し、大倉組という材木業者が貯水池をつくることでさらに多くの木材が扱われ、大正時代には木材関連業者数は60社に増え木材加工などでも栄えたそうです(参考文献3)。

■2つの木都の共通点
2つの木都を比べると、能代市と島田市には共通点が多いことが分かります。両地域とも木材流通に適した河口に位置し、そこには製材や様々な木材加工の技術が生まれています。加えて、製造技術導入や貯水池の作成など工夫を凝らした経営が木材産業を発展させてきました。地域が有する森林資源を川や河口という地形を活かして経済の拠点に発展させたことがほぼ同時期に東北と東海で起こっていることが興味深いです。

■まとめ
今回は2つの木都を取り上げ、林業を中心に地域の活性化を実現した先人の事例に触れてみました。日本には同じような地域は木都と呼ばれなくても全国に多く存在するのではないでしょうか?工夫を凝らした各地域の事例を探してみると、そこに全国に根差した木の文化や、現在の地域活性化につながるヒントが見えてくるかもしれませんね。


参考文献1:中日新聞「「木都」島田の繁栄 明治、大正の写真で伝える(2018年7月12日)」(2018年7月16日閲覧)
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20180712/CK2018071202000045.html

参考文献2:国土交通省東北地方整備局秋田港湾事務所「能代港の概要 木材業と近代化」(2018年7月16日閲覧)
http://www.pa.thr.mlit.go.jp/akita/port/noshiro/history09.html

参考文献3:有限会社落合製作所ホームページ「建築・土木木材のご紹介」(2018年7月16日閲覧)
http://www.ochiaiseizai.com/shopping/lumber.php




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