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2020年6月 木の葉の成分を加えた除菌用アルコールから木の香りについて考える

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行によりニーズが高まっている除菌用アルコールに秋田スギの葉の成分を加えた製品を秋田県総合食品研究センターが開発中とのことです。そこで、今月は木の香りについて少し考えてみたいと思います。

■秋田スギの葉の成分を含む除菌用アルコール
秋田県総合食品研究センターは秋田スギの葉の成分を含む除菌用アルコールを開発し商品化を目指しているそうです。殺菌効果を保ちながらもリラックス効果がある爽やかな秋田スギの香りを有しており、秋田大学医学部が臨床試験を行うなど、香りのリラックス効果の検証も進んでいるそうです(参考文献1)。

■スギの香りとその効能
スギの葉は線香の原料であり、その香りの良さにより酒樽にも活用されています(参考文献2)。また、スギ人工林の森林浴は人をリラックスさせ、血圧・脈拍数などを低下させることも確認されるなど(参考文献3)、スギの香りの効果は近年、注目を浴びています。

■様々な木の香りとその効果
木の香りやその成分がもつ効果は様々な場面で使われています。クスノキの仲間は樟脳の良い香りがしますが中でもクロモジは殺菌効果も有しており爪楊枝に使われてきました。アロマセラピーなども植物の香りを活用するという点では同じです。木が発するにおいの成分の人への効果の科学的な検証は難しいようですが(参考文献4)、香りが殺菌や消臭などの作用をもたらすことは様々な研究で確認されてきています(参考文献5、6)。木の香りの効果については、まだまだ不明な点も多いのかもしれませんが、身近な木が発する香りに目を向けてみてはいかがでしょう。

■まとめ
今回の秋田スギの葉の成分を含む除菌用アルコールから木の香りの作用について少し触れました。参考文献5で触れていますが森の中では生き物や植物が腐って新陳代謝をしていますがやな臭いはしません。分解してくれるたくさんの微生物や菌類に加え、木の香りも作用しているのですね。COVID-19対応で家の中にいる時間も増えていますが、木の香りを感じるちょっとした機会を得られる工夫ができるとよいです。除菌用アルコールとの組み合わせは良いアイディアかもしませんね。

参考文献1:河北新報「秋田スギ香る除菌用アルコール開発 認知症改善も期待(2020年5月5日)」 (2020年5月16日閲覧)
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/202005/20200505_72017.html

参考文献2:林野庁東北森林管理局ミニコラム「スギ豆知識(2014年1月)」(2020年5月17日閲覧)
https://www.rinya.maff.go.jp/tohoku/koho/koho_si/pdf/minicolumn_no118.pdf

参考文献3:三浦悠樹、香川隆英、服部幹彦、金子幸輝、「針葉樹人工林における日帰り森林浴効果」第122回日本森林学会大会、K24、2011、(2020年5月17日閲覧)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jfsc/121/0/121_0_368/_pdf

参考文献4:伊藤美千穂「においは薬になりますか」化学と教育64巻12号, 2016 (2020年5月17日閲覧)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kakyoshi/64/12/64_616/_pdf

参考文献5:谷田貝光克「におい感覚と木材」材料 Vol.46, No.10, pp.1222-1227, 1997 (2020年5月17日閲覧)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsms1963/46/10/46_10_1222/_pdf

参考文献6:櫻井和俊「香りの分析と香りの効果効能について」日本食生活学会誌Vol.21 No.3, 2010 (2020年5月17日閲覧)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jisdh/21/3/21_3_179/_pdf




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